特集 感染対策から見た医療廃棄物の諸問題
廃棄物回収機関から見た医療廃棄物の実態と医療機関への要望
美山 俊久
1
Toshihisa MIYAMA
1
1東京都清掃局作業部指導課
pp.944-947
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209409
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はじめに
医療廃棄物の適正処理の問題は,かなり以前から取沙汰されていたが,昭和60年に入って,エイズやB型肝炎による事故例が報告されるや,にわかに社会問題としてクローズアップされるところとなった.東京都でも,東京都医師会の協力を得て,「医療機関の廃棄物処理の手引」を作成,60年12月以降,関係機関に配布,PRに努めている.63年3月からは「医療機関のみなさん!ゴミ処理は適切ですか?」のリーフレットにより,開業医を中心に呼びかけを始めているところである.
医療機関から発生する廃棄物は,最近の医療技術の進歩・向上に伴い,種類が多く,性状が多様であり,組成も複雑多岐にわたっている.その取り扱いについて,最近の報告では医療施設内外の環境の面から,例えば院内従事者の感染,不適当な保管状況,収集時の作業員の災害,不完全な処分施設など,種々の問題が明らかにされつつある.
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