特集 社会医学(第3回社会医学研究会講演)
一般演題
京都における失対労務者の生活と健康の実態
西尾 雅七
1
,
山下 節義
1
,
竹沢 徳敬
2
,
川合 一良
2
,
武田 恭子
2
,
宮入 昭午
2
,
帯刀 弘之
3
1京都大学医学部公衆衛生学教室
2南病院
3府立洛東病院
pp.641-644
発行日 1962年11月15日
Published Date 1962/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202599
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南病院は全日自労千本分会と共同して千本労働出張所内に医務室を設け,3年前から失対労務者の診療に従事してきた。失対労務者は早朝に現場の紹介を受けると4日間働き,5日目はアブレ(失業日)となる。この紹介日とアブレの日に医務室を訪れるわけで"早朝""多人数""設備の狭小"などの悪条件のため予防医学的段階に達することが困難であった。他方日常診療の経験から体系的な健康管理の必要性が痛感されたので,その基礎資料を得るために今回の調査を行なったのである。
調査対象は京都千本労働出張所に登録する失対労務者約3,600名で,昭和36年9月から11月までの間,24カ所の労働現場に出張して調査した。内容は労働時間,生活条件,病歴等に関する詳細な面接調査と,尿,屎,血液(Ht,CoR,CdR,ガラス板法,CRP),EKG,胸部レ線撮影,診療等多岐にわたるもので,本年2月までに全受診者に結果を通知し,さらに精密な検診と診療に取り組んでいる。
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