特集 社会医学(第3回社会医学研究会講演)
一般演題
退院患者の動向について(第1報)—その医療受診と自宅療養の問題
奈倉 道隆
1
,
山下 節義
1
,
西尾 雅七
1
1京都大学医学部公衆衛生学教室
pp.636-638
発行日 1962年11月15日
Published Date 1962/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202597
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はじめに
近時,疾病構成上の主要な問題点が感染性疾患から慢性・退行性疾患へと移り,また高年齢層の入院患者中に占める割合が急激に増加している1)。このことは,当然療養の長期化をもたらし,重篤な患者が入院治療を受けたのちもさらに自宅で療養を続ける傾向が増すものと考えられる。従って退院患者の医療受診の状況や自宅療養上の問題を追求することは,わが国の医療のしくみを明らかにする点からも,また今後の保健活動推進の上からも,きわめて重要であると思われる。
このため「初診医療機関と患者との関係および転医の実態について」2)と同一対象について退院後の動向を追跡し,先の調査資料と関連づけつつ問題追求に当っているが,退院後1ヵ月目の調査成績について,中間集計を行い第1報として報告する。
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