特集 母子衛生
発育状態評価について
高石 昌弘
1
1国立公衆衛生院母性小児衛生学部
pp.503-507
発行日 1962年9月15日
Published Date 1962/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202560
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I.序
この数十年の間に,小児発育の問題は極めて大きな変革を示したといえよう。質的にみれば,多くの疾病の減少に伴って発育現象は小児科学の基礎知識としての課題から積極的な健康増進を目的とした小児保健の大きな命題として発展している。また,量的にみれば,戦争などにより一時的な影響をうけたものの大変な体位向上をみせている。
このような小児発育の重要性の増加は当然母子衛生の実際面において益々大きな意義を生じてくる。受精から胎児期,新生児期,乳児期,幼児期,学童期とそれぞれの時期において,種々の変化を示しながらすすんでいく発育現象は,母性衛生,乳幼児保健,学校保健のそれぞれの場で常に考究されねばならない一貫した問題であるといえよう。
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