原著
離島・僻地—対馬—の医療・保健衛生の実態—(第1,2報)
相沢 竜
1
,
原田 圭八郎
1
,
南 明範
1
,
三浦 創
1
1長崎大学医学部公衆衛生学教室
pp.243-250
発行日 1962年4月15日
Published Date 1962/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202519
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はじめに
3世紀中ごろの日本列島の有様を伝えた魏志倭人伝1)には,当時の対馬国が印象的に描写されている。「初めて一海をわたる千余里,対馬国に至る。……居る所絶島,方四百余里可り,土地は山険しく,道路は禽鹿の径の如し,千余戸有り。良田無く海物を食して自活し,船に乗りて南北に市糴す」と。このように表現された対馬は,現在も依然離島僻地として,医療保健衛生の面で多くの問題を内蔵している。国民皆保険の進展に伴い,無医地問題は大きな社会問題となりつつあるが,著者らは1960年夏長崎大学対馬綜合学術調査の一部として対馬の医療保健衛生の実態調査を担当したので,その成績の概要を報告する。
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