綜説
国民健康保険から見た低所得と結核—氷上町国保と結核
赤沢 淳平
1
,
B. ブッシュ
2
,
五木田 和次郎
3
,
雀部 猛利
4
,
柴田 粛
5
1兵庫県柏原荘
2淀川キリスト病院
3大阪大学医学部公衆衛生学教室
4神戸女学院大学
5兵庫県柏原保健所
pp.257-263
発行日 1961年5月15日
Published Date 1961/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202401
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1.はじめに
今年は国民皆保険達成の年で,国保も量的広がりから質的向上への転換期をむかえ,その手はじめとして,世帯主に対してだけであるが,結核7割給付が実施され,国保結核対策もまた新しい段階にさしかかつたわけである。しかし,全面7割給付という国民的要求をこうした形でしか実施できないのでは,国保は依然「富者の医療保障」にとどまり,貧困層に対する医療保障,ひいては防貧策となり得ない。
こうした観点にたつて,結核対策を国保の中心課題としてとり上げ,国保による保障を向上させる努力をしている実例がある。それが兵庫県氷上郡氷上町国保である。
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