- 有料閲覧
- 文献概要
当院がある滝上町は北海道のオホーツクに位置しており,紋別市から内陸に約35km入ったところにある人口約3,300人の町です.典型的な僻地の町であり,医療機関は当院しかありません.町の主要な産業は主に農業,酪農,林業です.観光資源としては5月中旬頃から満開になる滝上公園の芝さくらが有名です.満開になるとピンクの絨毯を敷き詰めたように公園全体がピンク一色に染まり,芝さくら特有の甘い香りが漂います.また,町内を流れる渚滑川はニジマスが釣れることで全国的に有名ですが,キャッチアンドリリースで資源を保護しています.昨年,私も30cmぐらいのニジマスを釣り,もちろんリリースしました.
当院は昭和31年に国民健康保険病院として開設され,歴代の病院長は札幌医科大学第1外科から輩出されてきました.私は第7代の院長になります.現在は病床数54床(一般26床,療養28床)で,常勤医は2名(外科1名,内科1名)です.常勤医は2人だけですので,月に10回ずつ当直しています.しかし,金曜日の夕方から日曜日の夕方までは札幌医科大学第1外科から当直医を派遣していただいており,週末は自宅でのんびりしています.僻地の病院にしては入院患者が多く,病床稼働率は97%ぐらいで,秋から冬にかけてはオーバーベッドになることもあります.外来患者は1日に約150名で,私は毎日約40名の患者さんを診察しており,外科疾患だけでなく高血圧や高脂血症,糖尿病などの内科疾患の患者さんも診ています.午後は病棟回診と処置を行っています.また,在宅医療も行っており,月,木,金曜日の午後に約10名の患者さんのお宅を訪問しています.毎朝7時30分には病院に行って仕事を始めることにしており,多忙な毎日です.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.