特集 社会医学(第3回社会医学研究会講演)
一般演題
兵庫県氷上郡における新しい保健医療計画(その3)
安達 伝次郎
1
,
五木田 和次郎
2
,
柏原 荘
3
,
氷上町保健課
1兵庫県柏原保健所
2阪大医学部公衆術生
3兵庫県立病院
pp.628-631
発行日 1962年11月15日
Published Date 1962/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202594
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健康でゆたかな町づくりを目ざす兵庫県氷上郡氷上町が,病気追放の第一陣として手をつけた結核対策は,結核医療費の全額保障と予防,治療,患者管理の一元化を骨子として,昭和33年8月に発足した。本年8月で満4年をむかえたわけである。
この間,一般住民の結核検診では,第1表に示すとおり,年々ほとんど100%に近い成績をあげてきた。この成績をあげるため,初年度には,5回にわたって延べ110ヵ所にあまる検診場を開設するという大がかりな方法をとったのであるが,こうした努力がこの成績を維持する鍵になっている。ただ,第2表のごとく,最初の年には第一回の検診で76%の住民が検査をうけたにすぎなかったのが,年々その割合いが増大し,36年度には90%近くの1町民が第一回の検診で検査をうけていることは,自発的に結核対策に参加しようとする住民の自覚の高まりを示すものであろう。
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