特集 公衆衛生学会を顧みて
公衆衛生学会印象記
—第8分科会—学校衛生・精神衛生・口腔衛生
竹村 望
1
1東京慈恵会医科大学公衆衛生学
pp.25-26
発行日 1961年1月15日
Published Date 1961/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202364
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第8分科会として学校衛生,精神衛生,口腔衛生に関する発表が一括して,第3会場の医師会館で行われた。ここで口演が行われたものは,学校衛生関係11題,精神衛生関係4題,口腔衛生関係4題で,その他誌上発表のものが4題あつた。
まず学校衛生関係では,田中氏らによる集団駆虫に関する研究(第3報)が報告され,地区回虫卵保有率とは概ね一致すると述べられたことは当然であるが,地域社会の集団駆虫と再感染防止策を同時に行なわない限り,学校回虫卵保有率の低下には自ら限界のあることを実例を以つて示した。安倍氏らは学童の眼科検診および事後処置効果について報告された。さて近時成人病対策として高血圧管理,心疾患管理の面が盛んに取りあげられるようになつたが,より年齢層の低い学生生徒のこの面の実態を知り,健康管理を行うことは望ましいことである。学生生徒の循環器系検診について本年も5題提出されたが,まず大阪府立成人病センターの高階氏らは前回の報告に引続き今回は大阪市教育委員会と協力して,また大学医療機関,保健所などの協力のもとに学校の心疾患管理システムをたて,モデル検診を行い,更に実験校を選んで普及活動をしている実際面を述べ,この方面の管理システムおよび方法について良き示唆を与えられた。
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