特集 新教育制度と教育内容
文部省主催第6回助産婦・看護婦教育研究集会報告
看護教育制度と教育内容を中心とした討議
第2分科会の報告
pp.196-197
発行日 1961年4月1日
Published Date 1961/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904019
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1.実習について
学生がなぜ実習に不満を持つかがとりあげられ,実習場にまだ学生の労働力を期待している雰囲気があり,同一技術の反復にしても,そこに実習を意味づける指導がなされていないことと,臨床指導者が定められていても現代では,それだけに専念できず,正看,准看の数のアンバランス等もあり,どうしても5:3:2の基準以外に指導者が確立されねばならないと思う。学生も心から臨床指導者を求めている。この点定員の増加は勿論必要であるが,指導者の質の向上は,それより以上に最も大切である。
学生はまた医者の講義を喜び,看護面にあまり興味を示さない傾向が見える。これは教授方法にもよるが,看護学の確立にも関係がある。また断続実習にも原因があるのではないか。やはり継続的受持ち別に実習を組むのが良いが,卒業生は,大体機能別であるので十分な指導がなされないことも問題なので研究する必要がある。なお現状では,保健指導があまり行なわれていないので,外来実習などで,患者の待ち時間を利用して指導するなどにより充実したものにしていかなければならない。要するに学生に,看護への興味を持たせるためには,現場の看護職員の看護に対する意欲が大きな問題になるのではないか。看護業務の明確化と共に,指導の立場にある人が真剣に考えねばならぬ点と思う。そのためには総婦長の現職教育に対する意見に大いに期待したい。
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