談話室
衛生関係六分科会の関連性と将来の展望
水野 宏
1
1名大医学部公衆衛生学教室
pp.430-431
発行日 1967年8月15日
Published Date 1967/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203504
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日本医学会に加入している学会は現在55であるが,わが国にはこのほかにも数多くの学会があり,衛生・公衆衛生に関係する学会・研究会もまたかなりの数にのぼる。科学の進歩とともに知識はいよいよ精細緻密化していくので,進歩の先端において存分に討議しようとすれば学会はいよいよ専門化せざるをえない。学会の分化は科学の進歩の必然的な結果というべきであろう。
しかし分化が極まれば,森に入りて森を見ずのたぐいで,はじめの目的意識を忘れ去り枝葉末節に貴重な時間とエネルギーを消尽することが稀でなくなる。時に立ちどまり,大本にもどって,全体をみなおす必要があるゆえんであろう。さらに,分化した他の分野の問題点を,たがいに異なった角度からみなおし討議しあうことも必要である。医学会総会は分化した医学の諸分野をたがいに総合的にみなおし,さらに高い次元でこれをまとめあげる場であると考えてよいであろう。
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