巻頭言
これからの公衆衛生
戸田 正三
1
1金沢大学
pp.1-2
発行日 1961年1月15日
Published Date 1961/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202354
- 有料閲覧
- 文献概要
本誌編集部中野君から私に「これからの公衆衛生について」かけとの御催促だが,これからの公衆衛生については,老生が差出るべきでないかも知れぬが,とりあえず,御指示に従い所感をのべます。
申すまでもなく,わが国の公衆衛生は,衛生学および公衆衛生HygieneもPublic Healthの形式で,国の文化の推進に伴つて,医学や社会科学と並行に発達したのではない。公衆衛生が叫ばれるようになつたのは敗戦の賜である。それはあたかも,わが国の道徳が忠孝と修身の一点張りで,公衆道徳が疎んじられたのと軌を一にした感がある。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.