特集 社会医学
無専門医村に於ける検診成績とその対策
笠木 茂伸
1
,
藤井 晃夫
2
,
児玉 武利
2
,
外園 久芳
2
,
椎名 文雄
2
,
多賀谷 敬
2
,
古桑 りら
2
,
鎌田 利雄
3
1財団法人河野臨牀医学研究所内科部
2財団法人河野臨牀医学研究所
3財団法人河野臨牀医学研究所管理部
pp.594-598
発行日 1960年11月15日
Published Date 1960/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202334
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I.緒言
近代医学の著しい進歩に伴なつて各科専門医の必要性と専門医による綜合診断の重要性が漸く強調されはじめている。近代医学はその優秀な治療内容を恵与してくれると同時にその診断技術の応用によつて疾患の早期発見,早期診断の可能性をさらに促進したと思われる。しかしながら,近代医学の恩恵がどれだけ一般民衆の中にほどこされているかということになると全く嘆げかわしいのが現状である。近代医学はただに大学病院とか大病院の中にのみ温存なされているべきものではない。われわれ医学にたずさわるものは,この現状を少しでも是正すべき義務があると考える。一方無医村問題となると話は一層深刻である。
最先端の医学の恩恵はもち論のこと医師の検診さえも満足にうけられないのが現状であろう。厚生省は例年無医村対策に努力されているが,僻地赴任とか,経済問題にからんでその成果もなかなか上りにくいようである。
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