特集 社会医学
無専門医村における検診成績とその対策(続報)—特に高血圧症を中心として
笠木 茂伸
1
,
馬場 三男
1
,
藤井 晃夫
1
,
淵沢 健之助
1
,
大出 博
1
,
長井 剛
1
,
多賀谷 敬
2
,
鎌田 利雄
3
,
榎戸 ふみ
4
1河野臨牀医学研究所内科
2河野臨牀医学研究所生化学
3河野臨牀医学研究所管理部
4竜ヶ崎保健所
pp.603-606
発行日 1961年11月15日
Published Date 1961/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202455
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I.はじめに
医学の進歩にもかかわらず,脳および心臓血管障害による死亡率は増加の傾向にある。これらの疾病はその原因が不明ではあるが,早期発見による生活指導により,予防あるいはかなりの延命を期待できる疾患であることに注目する必要がある。高血圧症はその剖検例に高率に動脈硬化症の合併を認められており,近年動脈硬化症に対する脂質代謝に関する研究が急速な進歩を示している。われわれは数年来無専門医村検診を行ない2, 3の知見を報告(詳細は公衆衛生第24巻第11号参照)してきたが,今回は,脳心臓血管損傷の原因として大きな役割をもつ高血圧症を対象として,脂質代謝の動態を知る手段として,血清総コレステロールを,また電解質のうち血清カルシウムおよび燐を測定した成績について述べる。
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