綜説
WHO環境衛生セミナーを聽いて
児玉 威
1
1神奈川県衛生研究所
pp.349-358
発行日 1960年7月15日
Published Date 1960/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202287
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1959年10月21日から11月5日まで東京赤坂のアジア会館で開催されたWHO西太平洋地域セミナーは「環境衛生関係職員の教育訓練について」On Education and Training ofSanitation Personnelを標題とするもので英仏語を使用語としたが,元来研究所育ちの私にはこの方面の経験がなく,かつ外国語にも弱いので,全く素人のセミナー見聞記であることをまずおことわりしたい。詳細は「WHO環境衛生セミナー報告1)2)」を御覧願いたい。見聞記も舞台裏からのぞいたものの方がおもしろ味があるが,私には観覧席から素人の目で見たもののことしかわからない。WHO会議の演出にはどうも一定の型があるようで,どのような標題でどのような形式の討議が行われ,それがどのようなすじみちでどのようにまとめられ,どうゆう決議と勧告となつて結ばれたかが,会議の終るまでに適当に編集されて,参加者が帰国するまでには立派なお土産になつていることには感心する。参加者は帰国早々これを自国語にほん訳させれば,公式の報告書が自然にでき上るわけである。それにしても,これを作成する委員や事務局関係者の労苦はなみたいていのものでないと思われる。
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