文献
職業性の癌—疫学的研究方法,他
鈴木
pp.539
発行日 1959年9月15日
Published Date 1959/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202181
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企業体において職業性の癌を疫学的に研究するためには,すべての癌の記録(発生部位,組織学的所見,転移の有無,臨床所見等)が正確に長期間にわたつて集められる必要がある。企業の規模が10万人を越すような場合はともかく5年〜10年に及ぶ記録がないと分析不能のことが多い。この場合転移癌と原発癌を明瞭に区別すること,癌と他の良性腫瘍とを見分けることなど診断の正確さが常に確保されなければならない。
ついで原発癌について,年×人数あたりの発生率を計算し,これを全人口についての発生率と比較する。この計算と比較の過程において,癌の発生率が一般とくらべて有意に低い時,および有意に高い時には次のような検討が必要である。すなわち統計全体を分解し一つ一つを確かめ,記録もれ,誤つた申告,診断の有無を明らかにする必要がある。
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