資料
6 出稼ぎ人の職業病—江戸煩い
鈴木
pp.1325
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912361
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《脚気》は主としてビタミンB1の欠乏による病気で,主な症状は下肢の倦怠と浮腫であるが,時に心臓を侵し,頓死することがあるところから,《脚気衝心》と呼ばれて恐れられていた.
脚気が,いつごろから知られていたかということは明らかではないが,中国ではすでに晋の時代(265〜419)にその記載があると言われる.日本では,平安時代(8〜12世紀)に上流社会で時々みられたというが判然とせず,鎌倉時代(1125〜1333)になって初めてはっきりとした記述が見られ,元禄,享保のころには江戸でも知られるようになった.
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