原著
中毒イカから検出されたウイルス樣粒子の同定と病原性の考察
藤原 栄一
1
1新潟大学医学部薬理学教室
pp.46-52
発行日 1956年12月15日
Published Date 1956/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201774
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さきに筆者は昭和30年夏,新潟県殊に佐渡地方に多発したイカによる食中毒が,イカ水揚げ後の腐敗による食中毒と異なり,イカが生前に有毒化し,食中毒が新鮮なイカによつて起つたと考えられることについて報告1)した。筆者は中毒イカからウイルス様粒子を検出し,これが孵卵漿尿膜で培養出来るものであり,患者血清との間に沈降反応がみられ,また患者大便から同種の小体が検出されることなどから,このウイルス様粒子と食中毒の関連性について考察を試みた。
その後ウイルス様粒子の同定,イカや人に対するこのウイルス様粒子の病原性などについてさらに検討を加えたので報告する。
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