原著
三宅島を中心として多発したあじによる食中毒の疫学的考察
石丸 寅之助
1
,
歌代 吉雄
1
,
足達 卓治
1
,
近藤 茂
1
,
海沼 勝
1
1東京都衛生局
pp.52-54
発行日 1956年12月15日
Published Date 1956/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201775
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緒言
昨年は北部日本海沿岸における「いか」都内に頻発した「たこ」神戸製鋼工員間の3,416名に及ぶ塩さけによると推定される事例等の魚介類に原因した食中毒が多発したことが知られている。我々は昭和30年9月三宅島住民に発生した食中毒様疾患を現地で調査したが,激しい腹痛(特に上腹部)下痢を主訴とし嘔吐発熱等もみられ,臨床的には急性胃腸炎の診断された一過性の経過を示す疾患で"あじ"に原因したと推定されたが,未だ病原は明らかにされていない。然しこの調査の結果三宅島以外に伊豆諸島の御蔵島,八丈島等にも同様疾患が流行したことが判明し魚類による食中毒として疫学的に興味深い所見を得たので報告する。
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