特集 食中毒
アレルギー樣食中毒
宮木 高明
1
1千葉大学腐敗研究所
pp.26-30
発行日 1954年9月15日
Published Date 1954/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201453
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昭和27年から28年にわたつて,かなり広い分布でサンマ,イワシなどのみりん干(みりん干と称するが,加工にみりんは使用しない。櫻干という名称がつけられ,事実に適しているが,ここでは通称にならつてみりん干としておく。)による食中毒が発生した。たとえば厚生省食品衞生課の調査になるところを第1表に示したが,これによつてもかかる食中毒が少くないことを裏書きすることができよう。
この中毒症状はどれも,食後30分ぐらいで起つてきて,顔面その他の紅潮,時にじんましん様発疹,頭痛,惡寒,そして中に嘔吐,下痢を見るという共通したものである。この症状より見てもこの食中毒が細菌性のものでなく,毒物性のもので,しかもアレルギー様であることが容易に想像される。
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