特集 人口問題の焦点
第5回国際家族計画会議をめぐる二,三の所感
村松 稔
1
1公衆衛生院衛生人口学部
pp.48-53
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201639
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去る10月24日から29日にわたり東京芝のマソニツク・ビルデイングで開かれた第5回国際家族計画会議は内外の視聴を集めて盛会裡に無事幕を閉じた。国際家族計画連盟(本部は英国ロンドン)の主催になるこの種の会議は1946年のストツクホルムに始つて以来,戦後約10年の間にしばしば会合を開き,ストツクホルム,チヤルテンハム(英国),ボンベイ,ストツクホルムと廻つて今回は5回目,アジアでの開催は2回目であつた。回を重ねるにつれてその規模が大きくなり,次第に文字通り国際的の基盤に立つようになつたこの連盟の成長ぶりは,創始者であり,又現在その会長であるSanger夫人の努力の賜物であつて,40年の生涯をこの運動に捧げてきた夫人にとつてさだめし感慨の深いことであつたろうと思う。
国際家族計画連盟は現在15の国々から構成されており**,日本では日本家族計画連盟が正式の一員として加入している。今回の会議にはこれら15カ国の他に,バーミユーダ,ハワイ,タイ,カナダ,イスラエル等も参加した。15カ国の代表すべてが来朝して自ら出席したわけではなく,西独,イタリー,オランダ,プエルト・リコ等は論文のみによる参加であつたが,とにかく会議の幕をあけてみると,外国からの参会者は約90名,日本人参加者は約300名というこの種の会議としてはこれまでのうちで最も大がかりなものとなつた。
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