特集 人口問題の焦点
食糧と人口
渡部 十之介
1
1総理府資源調査会事務局
pp.43-47
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201638
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1920年(大正9年)から,1950年(昭和25年)の30年間に,世界の人口は18億から25億へと35%の増加を示している(第1表)。今後もし,このような比率で年々増大して行くならばやがて30億に到達するのも,さほど遠い将来のことではあるまい。
世界の人口が,20年代から現在に至るまで徐徐にではあるが,それでも,年々平均1.2%近くの比率で増大してきたという驚くべき事実は,理論はともかくとして,この間において,これら20数億の人口を養うに足るだけの食糧が,何らかの形で供給され続けてきたことを物語つている。このことは,第2表の国際連合食糧農業機構の資料による世界人口の1人当りの食糧生産指数の推移を見てもほぼ肯定されるところである。
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