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肺結核治療における最近の進歩(外科)
塩沢 正俊
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1結核予防会結核研究所
pp.11-22
発行日 1955年6月15日
Published Date 1955/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201566
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"市療(現国立中野療養所)に居たころはなあ"と当時のことを想い出されて隈部先生は時々感慨深げに語られる。その話によると,手足は絲のように痩せ衰えながら腹は臨月を思わせる程の蛙腹を呈し,腹水穿刺と腹囲測定が先生の日課の主な1つであつたと云う。そして,屍体がところ狭きまでに屍体室に並べられ,剖検に夜を徹したことも稀でなかつたと云う。
それ程以前のことでなくここ数年前であつても,胸成術の前後に合併する腸結核症が患者や医師を悩まし苦しめて来たものである。
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