特集 勞働衞生最近の進歩
恕限度
鈴木 武夫
1
1公衆衞生院労働衞生学部
pp.39-43
発行日 1954年11月15日
Published Date 1954/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201482
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Ⅰ.まえがき
かつて故石川知福教授1)は生活環境条件が人間の生存又は活動の為の好都合なメディアムとして作用する至適条件を遠ざかると共に,人間の生存又は活動の過程に阻止或は侵害作用が発現するに到るので,生存又は活動力保持の為に恕限度が存在するとのべ,恕限度を,1)生産的活動能の保持強化の為の恕限,2)生存の安全保持の為の恕限,3)快適感保持の為の恕限に分けて考察を進めた。これが日本に於ける恕限度の考察の第一歩であつたと思う。
即ち,労働科学研究所を中心として発達した労働衞生学は,恕限度と至適度の追及に対し大きな貢獻をして来たのである。
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