特集 身の回わりの衛生
第IV部 環境衛生の現状
恕限度の考え方
土屋 健三郎
1
1慶応義塾大学医学部衛生学・公衆衛生学教室
pp.95-98
発行日 1966年2月10日
Published Date 1966/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203581
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
恕限度というようなことばが最近盛んに使われている.わかったようでわからないことばである.この漢字から受ける印象は「もう我慢のできない限界」「許すことができる限界」ということであろう.
新聞などでは許容度(濃度,量)という表現を使うことが多い.日本産業医学会でも許容濃度等委員会という研究委員会がある.いずれにしても,恕限度ということばが少し古いので,許容濃度ということばを使用することにする.英語などでも,これに相当することばはMaximum Allowable Concentrationとか,Maximum Acceptable(またはPermissible)Concentrationなどといわれ,後で述べるThreshold Limit Value(TLV(平均)許容濃度)と区別して使われるべきであるが,専門家でない人たちの間でのことばの混乱はわが国の場合と同じである.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.