研究報告
標本調査法による某農村住民の蛔虫卵保有率調査
田中 正四
1
,
渡辺 嶺男
1
,
岩永 知勝
1
,
福原 照明
1
1廣島医科大学公衆衞生学教室
pp.47-49
発行日 1953年7月15日
Published Date 1953/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201246
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農村にかぎらず,寄生虫卵保有率の調査は一般的な常識として全数調査が尊重されて来た。しかしながら,従来の調査の結果では全数調査とはいつても,有意選択的な大数調査が殆んどそのすべてであつて,たまたま全数調査である場合にはその調査に莫大な労力,時日,費用を必要としている。
もとより,寄生虫卵保有率の調査は治療としての各個人の駆虫を前提としてはじめて完全な意義をもつものであるから,終局的には必ず全数調査が行われなければならない。しかしながら,侵淫状況を推定し,駆虫に要する薬品の見積り或は費用の概算をなし,更には寄生虫予防のための公衆衞生学的施策の資料として行う予備調査は,最少限度の労力,日数,費用により,必要の精度でなされることが望ましい。
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