調査報告
某農村地区婦人の健康・労働に関する調査研究
岩田 弘敏
1
,
笠松 隆洋
1
,
宮下 和久
1
,
加藤 道子
2
Hirotoshi Iwata
1
,
Takahiro Kasamatsu
1
,
Kazuhisa Miyashita
1
,
Michiko Katoh
2
1和歌山県立医科大学公衆衛生学教室
2岐阜市北保健所
pp.535-539
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206744
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Ⅰ.はじめに
全国的にみても農業従事者の過半数は婦人で占められている.その婦人たちは農業生産に従事するばかりでなく,家庭生活の中で家事などの大きな役割を担っている.近年,農業生産方法や家庭生活は機械化,電化などが進み,部分的改善がみとめられているが,一方,兼業化も進んで,それにともない婦人への農業労働負担が増し,婦人の健康上の問題も生じつつある現状にある1).
和歌山県下のK町は昭和57年度に農村婦人等健康推進特別事業の1環としての1モデル地区に指定され,そこで健康調査が実施された.たまたま,その対象モデル地区が2つの小地区からなっていたため,その2つの小地区の特性を比較していたところ,健康状態に若干の差異がみられた.この健康状態の差異を導いた農作業生活,家庭生活の問題点はないものかと検討した結果,2,3の知見をえたので報告したい.
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