随筆
オバケの話
長尾 貞一
1
1西多摩保健所
pp.28-29
発行日 1953年7月15日
Published Date 1953/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201239
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電車の中で,或る宗教関係の著書の広告を見た時ふとオバケを連想して,おかしくなつた。
此れは我々が仕事の上で,よく出会う問題に関係があるからに相違ない。何か信仰に凝つて,療養指導を拒否する結核患者に出会うことは,そんなに珍しいことではない。そんな患者と話していると,その人の後に,これを操つているオバケの姿がボーツと見える様な気がすることがある。だからそれほど病的な連想とは思わない。
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