研究報告
米子市に於ける屋内鼠とその寄生虫
森下 卓郞
1
1鳥取大学医学部公衆衞生学教室
pp.44-46
発行日 1953年7月15日
Published Date 1953/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201245
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1.緒言
鼠族研究の必要性はその有する所の疫学的重大性であつて,諸種悪性疾患の機能的並に機械的伝播をなせるものなれば,その研究が予防医学上緊要なる事は今更茲に云う迄もない。鼠族の調査研究は従来海外諸地域に於て亦本邦内地の諸地方に於ても数多くの報告があるが,当地方では高木,宝意両氏の報告(昭和21〜22年)が唯一つあるのみで詳細は尚明らかでない。亦日本衞生動物学会では昨年鼠族研究班の結成が計画され全国的に研究を実施する事が要望せられている関係上,私は其の責の一端を担うと共に当地方に於ける鼠族の綜合的研究の一部として研究を開始したのである。本篇に於ては米子地方に於ける屋内鼠に就て,その分類,各種の数量的関係に就て述べ,妊孕状況,住血寄生物,外部寄生虫,内部寄生虫に就て順次報告する所存である。調査した期間はⅧ/1951からⅦ/1952に至る1カ年間であるがⅣ/1952は或る事情に依り研究を中止した。
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