--------------------
日本に於ける有機燐殺虫剤パラチオンテツプ中毒問題
上田 喜一
1
,
石堂 嘉郞
1
,
高橋 謙
1
1慶大医学部衞生学公衆衞生学教室
pp.3-10
発行日 1953年5月15日
Published Date 1953/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201202
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
昭和27年6月本誌上(1)に新しい全国的な中毒問題として稲のメイ虫に卓効のあるパラチオン及ダニ,アブラムシ類に有効なテツプ等の新殺虫剤の紹介をしてから早や一年近くを経過し,再び春と共に3月中旬から農薬工場は毎日数十屯の生産発送を開始し6月からの使用期に備えている。幸い私共は農林省の委嘱により設けられた「新農薬の人畜に対する影響」に関する研究班の委員として此の問題に最も多く接触した者の一人と考えるので我が国の過去一年の経験を報告し,実際に指導に当る方々に御報告する義務があると考える。厚生省に於ても此の問題を重視されて来る5月を農薬中毒予防月間として農家に対する啓蒙運動を行う予定と聞いているのでその際の御参考になれば幸である。尚本稿では主として予防問題に主力をおき,治療の詳細に関しては別の機会(2)に譲る方針である。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.