論説
第23回日本衞生學会総会に際して
pp.2
発行日 1953年5月15日
Published Date 1953/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201201
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第23回日本衞生学会総会は千葉大学の谷川久治教授が会長,松村名譽教授が名譽会長ということで,来る5月6,7,8日の3日間に亘つて千葉大学講堂で開催されることになり,谷川教授以下その準備に忙殺されておられるとのことである。
この会も年々盛会になり,聞くところによると,本年度の申込演題数は約270以上に及んだということである。千葉大学では会場の関係上どうしても200題以下でなければ,予定どおり総会が終らないというので,申込演題数の多い教室,研究所に依頼し,一部を紙上発表にすることとしたのである。演題が多すぎて一部を紙上発表としたのは,本会に限つたことでなく,昨年夏北海道で開催された日本公衆衛生学会でも見られたところである。かくの如く申込演題が年々増加することは,斯学のため慶賀にたえない次第であるが,総会の運営からいえば実に困るわけで,止むを得ず,演説時間を極端に制限したり或は紙上発表を強要したりすることになるのである。しかし,学会の目的使命からみれば,折角長年月情熱を傾けて行つた研究をわずかな時間で発表させたり,紙上発表させたりすることは,何といつても避けるべきことである。といつて,現状で申込演題数が今後減少するという見通しは全然ない。事実,わが国の衞生学,公衆術生学教室や研究所,保健所などの数から考えて,今後益々拍車がかけられるものとしなければならない。
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