研究報告
猩紅熱樣疾患に對する保健所の調査
石川 義雄
1
,
和田 節
1
,
福岡 文良
2
,
淺沼 力
3
1横濱市港北保健所
2横濱市港北保健所豫防課
3横濱市港北保健所衞生課
pp.37-41
発行日 1952年12月15日
Published Date 1952/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201147
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昭和27年5月から3ヵ月餘りにわたつて19名の猩紅熱患者が菊名地區に,6月12日から9日間に9名の泉熱患者が寺山地區に發生し淺沼がその調査を擔當した。
今回の發生例に對し保健所は如何なる調査を行つて研究機關へ報告したか,又今後再びかかる疾患が發生した場合にはどんな調査をしようとしているかに就いて記載する。Ⅰ.症状に關する調査泉熱(以下Ⅰと略)2番目3番目5番目の患者(以下(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅴ)と略)に地元開業醫の屆出であるが其他に神奈川縣衞生研究所と淺沼の詳しい檢病で發見されたものであるが猩紅熱(以下Sと略)では淺沼が暇さえあれば小學校や患家を訪問調査していたため不思議と衞生教育が徹底し發熱や咽頭痛の小兒があると家族が先ず猩紅熱を心配してかかりつけの醫者をその日か遲くも翌日迄には呼んでいる。しかし發病が不明瞭で診定がちゆうちよされている向もありS10番目の患者(以下(10)と略)の如き淺沼が(4)宅へ培養の爲に行つた處(10)が怪しいと聞いて(10)宅を檢病した結果決定された。(19)も同じくグリッペと診斷されていたが淺沼が(18)の家族として検診した結果供かの所見に着目して横濱醫大小兒科へ紹介入院の上2日以上も精査されて決定している。Sの場合上述の樣に大部分の患者に開業醫の診察で入院しているから見逃されている輕症の2例以外に直接患者を觀察出來なかつた。
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