研究報告
猩紅熱樣疾患に對する保健所の態度
石川 義雄
1
,
和田 節
1
,
福岡 文良
1
,
淺沼 力
1
1横濱市港北保健所
pp.46-47
発行日 1952年9月15日
Published Date 1952/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201109
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昨年11月から本年2月にかけて横濱市港北區内に猩紅熱樣疾患が集團的に發生致しました。
之に對しましては神奈川縣衞生研究所,横濱市衞生局萬治病院,公衆衞生院が夫々の專門的立場から調査研究なさいました。綜合調査研究成績に就ては去る4月の第26回日本傳染病學會總會に於て各先生から既に御發表になつていられます。我々は地元の保健所と致しまして下働きをさせていただいた立場からもう一度これらの御研究を反省させていたゞきまして今後再びかゝる疾患が發生した場合の我々のとるべき態度を御教え願おうと考える次第です(第3回神奈川縣横濱市保健所研究報告會演説)まず日吉地區に於ける12月の10名を筆頭に調査地域内の患者發生状況は11月1名,12月10名,1月5名,2月1名,合計17名でありました。我々に前地域内の三小學校に對し患者に關係ある兒童をたどつて殆んど全員に檢診を行い疑わしい患者をつりあげて溶連菌培養の封象と致しました。次にこれらの小學生には衞生研究所のお手傳いをしてディツクテストをやりました。又地域内の開業醫家を逐一訪問して診療カルテを拜見しそれから廣く溶連菌によつて起るだろう所の患者を拾いあげました。又我々は自動車を驅つて地域内を驅け歩き調査地域の全市民を對象に猩紅熱樣疾患の症状が誰にもわかる樣に書いたパンフレツトをくばりそれに症状の有無を回答してもらい,再び回收して歩きました。更に地域内の井戸水,ミルクの検査,牛乳の檢病を致しました。
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