講座
猩紅熱について
内山 圭悟
1
1前駒込病院
pp.6-9
発行日 1956年2月10日
Published Date 1956/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201111
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猩紅熱は溶血性連鎖球菌を病原体とする急性伝染病で,急激に発熱,頭痛,咽頭痛,嘔気,嘔吐等をもつて発病し,次で特有の発疹が現れ後に落屑を来すことを主要症状とする.
患者の鼻咽頭腔からは殆ど毎常溶血性連鎖球菌が培養によつて証明されることは古くから知られていたが,1923年にアメリカでヂツク夫妻が人体実験を行つて溶血性連鎖球菌によつて猩紅熱が起ることを確めて以来連鎖球菌病原説が一般の注目をひく様になつた.又ヂツクは患者から分離した菌の培養液には一種の毒素が含まれており,その一定量を人の前腕の内側の皮内に注射すると,その部位に18時間から24時間後に直径10mm以上に達する発赤が現われることを見た.
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