研究報告
公衆浴場の汚染度及び配豊の基準に就て
中村 廣夫
1
,
河島 俊一
1
,
新開 齊治
1
,
弓削 淸一郞
1
,
松島 秀一
1
1埼玉縣公衆衞生課
pp.183-187
発行日 1951年10月15日
Published Date 1951/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200940
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最近公衆衞生の進歩に伴い一般大衆と密接な關係に置かれて居る公衆浴場の施設も逐次改善され從前の如き非衞生的なものは最早や影をひそめつゝある現況で喜ばしき次第である。浴場の汚染度に就きては比較的古くより調査研究行なわれ(昭和3年吉岡朝次,昭和16年佐藤國治,昭和23年大園,坂本,昭和25年公衆衞生院等)浴水の汚染度を防ぐ方法として浴槽の換水,浴槽洗滌の徹底及入浴者個々に就ては身體の充分なる洗滌後浴槽に浸ること及身體の摩擦,洗滌等は浴槽外に行うことを強調し之と同時に浴槽の汚染度は入浴者の増加に伴い惡化して行く故公衆浴場の「配置の適正」は飽く迄公衆浴場利用者密度により計られねばならぬとして居る。此の配置の適正に關しては何人もその必要性を感じながらも今日迄その基準ともなるべき科學的資料の見るべきものがない此の點に就き我々は特に注目を引き今回浴場の汚染度を試驗すると同時に利用者の住所年齢職業及浴場周團の人口數並に個人風呂と此れを利用する家族數を詳細に調査した結果,現在定められて居る浴場の距離制限が果して妥當なりや即ち「配置の適正」を得て居るかに對し或る基準を得たので多少なりとも公衆浴場設置上の參考となれば幸甚の至りである。
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