特集 第2囘日本公衆衞生學會演題
午後の部
(33)公衆浴場の浴水汚染に就て
豐川 行平
1
,
相澤 憲
1
,
有村 義男
1
,
西川 滇八
1
,
大場 義夫
1
,
菊池 正一
1
,
榊原 士郞
1
,
阿部 溫男
1
,
山本 俊一
1
,
野牛 弘
1
1東大衞生學教室
pp.165
発行日 1949年1月25日
Published Date 1949/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200416
- 有料閲覧
- 文献概要
昭和23年10月東京都文京區の某浴場につき入浴人員と浴水汚染の状態をしらべた。檢水は開業直前から始まり,大體1時間毎に行ひ計11囘である。檢査項目は入浴人員,浴温,濁度,色度,亞硝酸性N,硝酸性N,アンモニア性N,蛋白アンモニア性N,鹽素イオン,過マンガン酸カリ消費量,蒸發殘渣,尿素,細菌數,大腸菌數,浴水の殺菌力の16項目である。浴人員 男532名,女653名で,最も入浴人員の多い時間は男18時及び20時,女は17時及び20時である。濁度,色度,鹽素イオン,亞硝酸性N,アンモニア性N,蛋白アンモニア性N,過マンガン酸カリ消費量,蒸發残査,尿素量等は人員の増すと共に増加する。唯,これらの中亞硝酸性N,過マンガン酸カリ消費量,蒸發殘査はある時刻が経過すると減少の傾向を示した。又,反應は酸性に傾く。浴水の殺菌力をみるため大腸菌をいれて浴温44-45℃に置くと,時間の経過と共に減少するが,最後に近い浴水では女浴は減少するが男浴の方は5時間頃まで減少を見せず,むしろ増加の傾向を示したのは不思議である。
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.