特集 基礎から学ぶ環境衛生
浴場や環境中からのレジオネラ感染
倉 文明
1
1国立感染症研究所細菌第一部
pp.460-464
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102132
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レジオネラ属菌
レジオネラは水中や湿った土壌中に存在するありふれたグラム陰性菌で,アメーバに寄生して増殖する1).レジオネラを含んだエアロゾルや粉塵を吸い込むことにより,感染して肺炎やインフルエンザ様の発熱(ポンティアック熱)を引き起こす.ヒトからヒトへの感染はない.ヒトの体内では主としてマクロファージ内で増殖する.培養陽性例のヒトの起因菌の約9割はLegionella pneumophila(以下Lp)である2).レジオネラのコロニーはカットグラス様で,レジオネラ属以外の菌と区別しやすい3).
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