日本列島
薬湯等を用いた公衆浴場の問題
土屋 真
1
1仙台市衛生局東保健所
pp.29
発行日 1986年1月15日
Published Date 1986/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207182
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仙台市
過日,首里城跡の門を思わせるような大きな門に象徴され,かつ近代的建築の民間施設である,いわゆる保養センターが市内に開設された.建物が豪勢で凝っているだけでなく,大浴場もすばらしい.盛大に行われた落成披露宴でも,みな賛嘆の声を惜しまなかった.
しかし個室の壁や資料には,色々な病に効くという効能書きがずらりと標示されており,私共の眼を引きつけた.保健所としては,公衆浴場法と食品衛生法の営業許可で関係があったが,衛生行政の立場からみると薬湯(法的な名称制限はない)であれ,あくまで公衆浴場法の許可基準の中での規制しかなく,衛生行政の関係法令では薬効の広告制限が出来ないという経験をさせられた.他県でも同様な問題に直面させられると考えるが,法律の盲点と言えるのではなかろうか.
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