研究報告
日本往血吸虫に關する研究Ⅱ
横川 宗雄
1
,
佐野 基人
1
,
田中 利男
2
,
新井 照夫
2
,
田島 嘉雄
2
1國立公衆衞生院衞生微生物學部
2國立豫防衞生研究所獸疫研究部
pp.180-181
発行日 1951年10月15日
Published Date 1951/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200938
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- 文献概要
さきに私共(1950)は各種の家畜(馬,騾馬,牛,緬羊山羊)等に本吸虫セルカリアを實驗的に感染させた場合本吸虫卵の糞便内排出状況及びその他の臨床症状が,馬屬と他腫家畜では著しく相異のあることを報告した。即ち牛及び山羊,緬羊等では馬屬よりは遙かに少い本種セルカリアの感染で,多數の虫卵を長期に亘り糞便内に排出し,相當激烈な症状を呈するに反して,馬では25.000〜50.000の多數のセルカリアを感染させても,さして著明な症状を認められなかつた。只これまで馬では虫卵を糞便内に排出しないと云われていたのに反して,かくの如き濃厚感染の場合には虫卵を排出することが認められたがその排出期間は,感染後52〜92日迄の約40日の短期間に過ぎなかつた。このように馬屬と他種家畜では著しい相異が認められるので,一度本吸虫に感染させ短期間ではあるが本虫卵の排泄を確認し得た馬が再感染に對し如何なる態度をとるかを知るために實驗を試みた。
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