研究報告
日本住吸血虫に関する研究—Trypan-blueによる日本住血吸虫症の皮内反応に就て
横川 宗雄
1
,
田中 利男
2
,
田島 嘉雄
2
1国立公衆衞生院
2国立予防衞生研究所
pp.33-36
発行日 1953年7月15日
Published Date 1953/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201241
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1.緒論
Leuis(1916)(1)は,Trypan-redがAbrinによりおこされたedemaに特に急速に浸透する性質に着目し,これを実験動物の即時型皮内反応の研究えの応用を提案したが,その後Ramsdell(1928)(2)(3)は,Trypan-redの代りにTrypan-blueの青色に著明に着色することを報じた。
私たちは昭和24年来,日本住血吸虫症の皮内反応に関する実験を行つて,本症患者及び,本症に感染した馬では本反応が著明に出現することを認めたが(4),その他の動物特に家兎及び海猽等の如く菲薄な皮膚を有するものでは,抗元注射部位の腫脹のみにより判定することに甚だ困難を感じていた。偶々私たちの協同研究者の一人である田島の提案により,上述のRarnsdellの方法を日本住血吸虫症感染家兎における皮膚反応え応用して,果して此の方法で行つた場合は,患者や感染馬における様に特異的にあらわれるかを実験した。
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