研究報告
人系A'型インフルエンザ・ビールスによる豚の實驗感染について
甲野 禮作
1
,
芦原 義守
1
,
松本 稔
2
,
淸水 武彦
3
,
岡崎 和夫
3
1國立公衆衞生院
2傳染病研究所
3農林省家畜衞生試驗所
pp.178-180
発行日 1951年10月15日
Published Date 1951/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200937
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1.まえがき
豚が人系インフルエンザ・ビールス(イ・ビ)PR 8株に感受性を有する事實はすでに1936年Shope, Francis1)等によつて實驗せられている。然し1930年にShop2)ぶIowaで分離した豚・イ・ビは人のイ・ビAと共通抗原を有するとはいえ,可成り免疫學的に離れたものであつた。1939年釜山に於て越智宮入3)は1株の豚イ・ビを,分離したが,最近Francisは越智株が,人のA'型ビールスと免疫學的に同一であることを明らかにした4)。我々は昨年豚,牛,犬,馬,緬羊等の血清中に特に人系イ・ビA'型FM1株に對する抗體の存在することを知つた。これ等のことからA'型イ・ビが廣く人畜共通の病原として關與するのではないかと考えられ,又近年に於けるイの流行はA'型に起因するものの多い事實もあり,5)6)表題の示す樣な實瞼を試みた。
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