醫學のあゆみ・6
核酸とビールス
杉 靖三郞
pp.44
発行日 1952年1月15日
Published Date 1952/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909352
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生物體は細胞から成り,細胞は原形質も核もすべて蛋白質から成つている。この蛋白質は,いくつかのアミノ酸が結合して出來ているが,冤疫反應や酵素作用と密接な關係があり,生活物質として特殊な重要性を持つことは周知のところであろう。
最近になつて,蛋白質の組み立てやその變化の仕方などが明らかにされて來て一層その生物學的意義の重要なことがわかつて來た。すなわち,蛋白質の分子は變性しやすいが,變性すると,その分子が他の變性しない分子に作用して,一種の連鎖反應*)を起し,次々と積極的に變性がすゝめられて行き,生活體に影響をおよぼすのである。
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