疫學總論・5
第5講 感受性と免疫
野邊地 慶三
pp.190-192
発行日 1951年3月15日
Published Date 1951/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200813
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Ⅰ.感受性の示標
個体は或る傳染病原体に對する感受性Susceptibility),またはその逆の抵抗力或は免疫をもつてるか否かによつて,その病原体の感染をうけたとき,發病したり或はこれを免がれたりするものであるが,集團が或る傳染病の侵襲を受けたときに起る流行の大小は集團のその病原体に對する集團免疫(Herd lmmunity)の強弱に司配されるものである。それ故に個体が傳染病に罹患する危險度,ならびに集團に傳染病流行の起る傾向如何を豫知するために,個体及び集團の感受性の有無を知り或はその度を測る示標が必要なのである。そしてこの示標によりある傳染病に對する集團の感受性或は免疫の高低を測れば,これによつて集團におけるその傳染病の通疫(Epidemization Durchseuchung)の度が知られるのである。感受性の示標には普通次ぎのようなものが用いられておる。
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