統計の頁
腸管内寄生蟲
小宮 義孝
pp.204-207
発行日 1950年11月15日
Published Date 1950/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200748
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本年は寄生蟲豫防週間が,12月初旬となつたそうである。終戰前後から急に激増した本邦における寄生蟲保有率は,その後5年にいたる今日,依然としてそのままで,すこしも減少の傾向を見せていないようである。さいきんにおける寄生蟲性疾患にもとずく死亡數は,全國で1ケ年約8,000内外に達すると云われているが,これは死亡診斷書にはつきりとそう記されたものに基く數字で,實際にはおそらくその數倍ないし,數10倍に達するものではなかろうか。しかし,寄生蟲のうち,とりわけ戰後急激に蔓延しつつあるというのは,主として蛔蟲のそれである。以下ここでは,蛔蟲に關し,若干の統計的資料をかかげ,公衆衞生上の資料に供したい。
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