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體内寄生蟲の季節的消長
松林 久吉
1
1慶大醫學部
pp.77-80
発行日 1950年8月15日
Published Date 1950/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200694
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人體内部寄生蟲の季節的消長に就いては二つの面から考える必要があると思う。その第1は感染の消長であり,第2は發症の消長である。寄生蟲が感染しても,人はそれによつて必しも發症するものではないし,發症するにしても屡々長い經過の後に症状が現われてくる。この點は,細菌やヴイールスによる急性傳染病の樣に,感染者の多くが比較的短い潜伏期の後に發症するのと大いに趣が異つている。
感染の消長に關しては,その感染が中間宿主を介して行われるものであれば當然中間宿主の活動の季節,或はそれが主として捕獲され食用に供される季節と關係のあることが想像される。マラリアやフイラリアの樣に蚊の媒介によるものは,蚊の活動する季節にのみ感染のおこることは云うまでもない。
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