研究と資料
新型厚生省式改良便所の普及
川畑 愛義
pp.325-331
発行日 1948年10月25日
Published Date 1948/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200353
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1.新型改良便所
厚生省式改良便所はもともと内務省改良便ともいわれた。そのわけはこの便所が大正14年4月以降,内務省衞生局において國費を以て,埼玉縣大宮市において實驗的研究を初め,その後4カ年の日子を要して,ほぼこれが成案をえたものであるからである。すなわちその一部は昭和2年4月に發表されたけれども,實驗の終末はほとんど昭和6年3月までつづき,じつに満6カ年の日子を要している。そしてこれが實驗にあたつたのは委員長格の高野六郞博士をはじめとし,南崎,勝俣,板内,濱野,山岸,内藤等の諸氏であつたと記憶する。
その後,この原型は幾度の改良改善が加えられ,今日にいたつている。その間世人のこれに對する批難,又は缺陷としてあげられた諸點はこれが1)つまることがあること,2)臭氣があること,3)ウヂがあがること,4)ハイが發生することなどであつたようである。これらの難點を除去し,又は緩和しつゝ現今の厚生省式改良便所となつたわけである。
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