論述
專門分化の妊産婦及び新生兒死亡への寄與
辻 達彦
1
1公衆衞生院
pp.224-227
発行日 1948年8月25日
Published Date 1948/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200336
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吾國に於ける乳兒死亡の問題が最近大に論義されてゐるが,從來比較的等閑視されてきたのは妊産婦死亡の問題である。吾國の妊産婦死亡率は1943年迄の統計では漸減の傾向にあるが,米國でも1935年頃より殊に白人の妊産婦死亡は著明に減少の傾向にある。此の要因として考へられるのは一は醫師及び母性又は患者自身の自覺と進歩とであり,二は保健所を中心とする母性保護の發達であり,殊に保健婦の活動に俟つ處が多く,その三は所謂hospitalizationである。
この最後にあげたhospitalizationの問題に關連して,Betherda Hospital産科のN. S. Assail及びL. F. Zachariasの兩氏が産科專門醫と一般醫の取扱つた出産例15088につき詳く比較對照して死産率,新生兒死亡率,妊産婦死亡率の差異を説明した貴重な報告を表を主として簡單に紹介してみたい(1935-1945年の11年間の調査)。
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