衞生統計
新生兒の死亡について(その1)
瀬木 三雄
1
1厚生省統計調査部
pp.40-41
発行日 1950年1月10日
Published Date 1950/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200308
- 有料閲覧
- 文献概要
結核
傳染病等今日の醫學の力に豫防治療の容易な疾病による死亡が減少するに從つて,癌その他高年疾病に對する關心と,幼弱死亡に對する注目が増大するは當然にして,1950年よりの國際疾病死因傷害分類も,このような觀點に立つて改變されている.
新生兒の醫學上の定義は必すしも一定していない.從來の統計上の定義としては1カ月未満が用いられて見たが,1950年からの國際分類に於ては28日未滿或は4週未滿と定義され,我國における諸統計もこの解釋による筈である.臨床上その可否を論ずる餘地はあるし,又この新定義を臨床上の定義として用うべきであるか否か等に付ては見解も分れると思うが,しかしこの衞生統計上の國際用語を,臨床用語として用うるも大なる支障はないであろうと思う.成可くは一致させておいた方が便利であり,誤解もすくない.光榮ある論爭の歴史に輝く,「新生兒」という文字の可否に付ては筆者がこゝに云々する要はない.論爭のはなやかなりし割合には,定義の方があいまいであり,いつまでが新生兒期であるかということについて,明白にして意見の一致をみた解釋がなかつたことは興き味深い.
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.