論述
食品衞生に關する調査研究—其の一 公衆衞生上より見た製パン工場の實態
桑原 丙午生
1
1東京都榮養係
pp.228-232
発行日 1948年8月25日
Published Date 1948/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200337
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1.序
飲食物業者の公衆衞生に關する,理解と認識の不足と,良心と責任の缺如は,市販飲食物を極度に汚染せしめ,マーケット・露店・その他の飲食物及び器具を非衞生的な操作と設備に習慣づけ,今日,たへず,中毒事件を發生せしめるという戰慄すべき現状であつて,その事例は枚擧に遑ない。こゝに,とりあげた,製パン工場の人的物的の姿もまた,如上の範囲を出てゐない。
われわれは,食品衞生行政に從事以來,連合軍の指示と協力によつて,食品衞生に關する凡ゆる面について,その實態を檢討し,逐次,その改善向上の策導に邁進し,着々と成果をあげつゝあるが,以下,製パン工場の實態と之が施策について報じ,御批判を乞う次第である。
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