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千葉縣市原郡下に於ける結核豫防實施に就て
田中 正一郞
1
1千葉縣五井保健所
pp.101-103
発行日 1947年7月25日
Published Date 1947/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200161
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さきに發表された厚生省の青少年結核豫防對策に應じ,我が保健所にて行つた成績をこゝに發表し,大方の御批判を仰ぎ度い。
我が保健所は新設日尚淺く,現在問口三間,奥行二間の土間を借り受け業務を行ひ,醫療設備も目ぼしいものはX線間接撮影装置1臺,赤沈臺若干,その他で,保健所としては恐らく最も整備の出來てゐない部に屬するものである。擔當地區は千葉市の南部に位する市原郡全域で,南北11里,東西5里といふ細長い地區で,人口約11萬を擁してゐる。厚生省にて對策發表されるや,縣の指示を俟つて,10月中旬保健所に於ても計畫に着手した。短期間で,又た人手不足を克服する爲,町村醫,町村衞生主任の應援を得ねばならず,その爲には十分なる啓蒙を行ふべきであつたが,事前に3囘の打合せ會,講演會を行つたのみで實施に移つた。元來町村にあつては,衞生主任とは名のみで,到つて衞生知識乏しく,その上兼務多く,衞生事務は等閑に附され勝である爲,本對策の如何に重要であるかを力説し重點的に教育を行つた。2月13日より23日に亙る11日間に於て,23名の町村在住醫師の應援を得て,郡下青少年該當者,並に希望者21,267名中16,467名のツ反檢査,及びBCG接種を完了した。
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